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WEcafe流 サイエンスカフェの舞台裏

下町でサイエンスカフェを行っているWEcafeスタッフが サイエンスカフェ運営のノウハウをまとめています。

2015年7月25日「SC事例報告会 vol.5 高校生向けサイエンスカフェ」を開催しました!

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2015年7月25日「SC事例報告会 vol.5 高校生向けサイエンスカフェ」を開催しました!

こんにちは。WEcafeの古垣内彩・蓑田裕美ですemoji

2015年7月25日(土)、「サイエンスコミュニケーション(SC)事例報告会 vol.5」を開催しました。SC事例報告会とは、国立科学博物館サイエンスコミュニケータ・アソシエーション(科博SCA)有志で時折開催している勉強会です。

今回の報告会では、同年7月11日に茨城の私立高校で開催した、サイエンスカフェ「理系ライフ体験」を報告&振り返りました。

サイエンスカフェ「理系ライフ体験」は、10名のサイエンスコミュニケータで運営する大所帯のイベントでした。

↓ まずはサイエンスカフェの概要をご案内します ↓

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高校生向けサイエンスカフェ「理系ライフ体験」

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【イベント概要】
サイエンスカフェ形式で理系キャリアを考えるトークイベント
・話題提供者として、理系大学院生や理系出身の若手社会人計5名が登壇。話題提供者は、それぞれファシリテータ1名とペアになって各教室に赴き、
ファシリテータとの対談形式でご自身のキャリアを語り、参加高校生たちと話し合う。
・45分間1セットとして、参加高校生は希望する2種類のサイエンスカフェに参加できる。

【対象】
高校1年生165名が5教室に分かれて参加。
文理選択前の高校生を対象としたイベントのため、
文系志望/理系志望/未定など様々な状況の生徒が参加してくださいました。

【カフェでの話題】
・文系/理系を選択してきた経緯
・いま取り組んでいる研究や仕事についての説明
など、簡単な演示実験・ワークショップ・研究アイテムの回覧を交えて進行。
・その他、大学の選び方、編入経験、大学でのサークル活動、理系出身者の仕事の幅広さなど。

【進行のポイント】
・話題提供者が1名で語るのではなく、サイエンスコミュニケータがファシリテータ役として間に入り、高校生との対話を仲介した。

【話題提供内容】
サイエンスカフェ1・生物
 「葉っぱの 不思議が知りたくて」
 話題提供:江崎和音、ファシリテータ:杉山啓
サイエンスカフェ2・地学
 「古代の川を見つけ出せ!~理系?文系?地理ってどっち?~」
 話題提供:
渡辺万葉、ファシリテータ:馬場史花
サイエンスカフェ3・化学
 「化学者が髪の毛を燃やさないために?!~作業着を着た化学者の話~」
 話題提供:長澤慎之介、ファシリテータ:廣谷美咲
サイエンスカフェ4・物理
 「原子核の世界へようこそ!~文系志向だった私が物理研究にチャレンジしたワケ~」
 話題提供:海浦雪子、ファシリテータ:蓑田裕美
サイエンスカフェ5・融合領域(生物・化学・物理 複合分野)
 「生命現象をときあかせ ~カタチから探る生物のしくみ~」
 話題提供:糟谷豪、ファシリテータ:古垣内彩

【時間割】
11:00-11:45 サイエンスカフェ1回目(質疑応答含む)
11:45-11:50 登壇者&ファシリテータが教室を移動
11:50-12:30 
サイエンスカフェ2回目(質疑応答含む)

【教室ごとの時間割】
教室1「1回目:サイエンスカフェ1(生物)、2回目:サイエンスカフェ5(融合領域)」
教室2「1回目:サイエンスカフェ2(地学)、2回目:サイエンスカフェ1(生物)」
教室3「1回目:サイエンスカフェ3(化学)、2回目:サイエンスカフェ2(地学)」
教室4「1回目:サイエンスカフェ4(物理)、2回目:サイエンスカフェ3(化学)」
教室5「1回目:サイエンスカフェ5(融合領域)、2回目:サイエンスカフェ4(物理)」
※参加した高校生は、事前レジュメをもとに希望する内容を選んでいます。

【コーディネータ】 古垣内彩(国立科学博物館認定サイエンスコミュニケータ)
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7月25日(土)に開催した、「サイエンスコミュニケーション(SC)事例報告会 vol.5」では、下記のような振り返りコメントが挙がりました。

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【振り返り(抜粋)】
・参加者皆さんの理解度を確認しつつ進めるため、手を挙げてもらう、クイズ形式にするなどの参加型で進行するのが良かった。
・1セット45分間という短時間で初対面の参加者との距離を縮めるには、(物理的に)どんどん参加者の輪の中に自ら入って行くことが大事。
・話題提供者は「1番伝えたいこと」を明確にしておくと伝わりやすい。
・発言を引き出すコツとして、テーマを「科学的な考え方」に絞ったのが奏功した。ワークショップなど隣の参加者同士と5分×2回ほど話し合わせたので、その後の発言を引き出せていた。脱線(話題の過程で、部活や恋愛トークにもなった)も歓迎したため発言が盛り上がった。
・実験の様子を伝えるような資料回覧があると、参加者各自がじっくりと注目してくれた。実験の工程を伝えたのちに、「どの工程をやってみたい?」とファシリテータが尋ねたら皆さん反応が良かった。
・進路選択の話題が出た。→所属(または出身)大学のパンフレットを持参すると良いだろう。
・今回は大学院生4名、社会人1名だったが、今後は理系社会人を中心とする内容も希望が多かった。
※ WEcafe事務局では、埼玉大学・小倉康先生のご協力のもと、2011年に社会人登壇者で同様のイベントを4回実施した。また、その内容を日本科学教育学会で発表した。
・進路選択前(今回訪問した学校では高校1年生)に実施できたのはキャリア教育の実践タイミングとして良かった。
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最後に、企画運営者の古垣内・蓑田より補足を・・・。

・今回ご紹介した理系進路は、無数にある進路選択のうちの5例でしかありませんが、この5例を知って自身の考えを深めるだけで、まずは「まだまだ知らないキャリアは沢山あるんだな」と気付いてもらえると思います。キャリアを調べることと、参加者自身の希望するキャリアを選んでいくことを並行して進めることで、将来働くときの「大切にしたい軸」が見えてくるのではないでしょうか。

キャリア教育においては、幅広い基礎能力が必要です。大学や職業を知るだけでなく、「自分自身を理解する能力」「他人を理解する能力」「コミュニケーション能力」 「情報を収集する能力」「そこから自身の考えに基づいて選択する能力」「課題を見つけ、それを解決する能力」なども、自分のキャリアを切り拓くうえで大事な能力です。

・一般的な中学生・高校生にとって、中高での学校生活は担任の先生や周りの大人が生徒のキャリアを心配してくれる最後のステージかもしれません。中学生・高校生の間に、自分の人生を責任を持って引き受けて開拓していく能力を養う必要があります。今回のサイエンスカフェに参加し、考え、発言することで「自分はこう思った」「自分はここに共感した/しなかった」「自分はこんな風な軸で働いていきたい」という考えや選択基準を持てると良いですよね。

・サイエンスカフェでどの話題にも共通していたのは「一生学び続けていくこと」「自分の人生を引き受けていく姿勢で行動すること」の大切さです。上記いずれも、以前読んだキャリア教育の書籍「キャリア教育のウソ」(児美川孝一郎 著)と共通するところが多々ありました。

<参考図書>
「キャリア教育のウソ」児美川孝一郎 著
https://www.chikumashobo.co.jp/product/9784480688996/
「理系生活:
先輩理系人からのキャリアアドバイス」日本セラミックス協会 編
http://www.gakuji.co.jp/book/978-4-7619-2128-6.html
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