こんにちは、WEcafeの蓑田裕美です。
2015年11月15日(日)に東京・根津で「サイエンスコミュニケーション(SC)事例報告会 vol.6」を開催しました。SC事例報告会は、国立科学博物館サイエンスコミュニケータ養成実践講座(科博SC講座)の修了生有志で気まぐれに開催している勉強会です。
科博SC講座 3~10期修了生の計11名が、対面とインターネット電話Skypeで参加しました。
10期生の荻野紗良さんが、英国・レディング大学のサイエンスコミュニケーション関連部門での研修(インターンシップ)体験を話題提供してくださいました。
主な話題
▼レディング大学にある研究機関Walker Instituteでの課題解決型サイエンスコミュニケーションへの取り組み
▼大学全体の広報室での取り組み
▼大学内での研究推進事業
▼Royal Institution(王立協会) 平日夜の一般市民向け講演会
▼London Science Museum 科学技術と社会のかかわり、大人向けの夜のイベント
特に印象に残ったのは、レディング大学 広報部門の様子でした。
* * * * * * * * * *
・大学の広報室では、広報専属の常勤スタッフ(新聞記者出身者など)が活躍。
・広報スタッフはプレスリリース配信のタイミングを熟考。研究紹介のYouTube動画を撮影する際には研究者へ話し方やジャーナリストとのコミュニケーション方法をアドバイス。
・広報室では常にBBC newsをつけている。これはと思われる世間のニュースがあれば、それに対する学内研究者のコメントをつけて大学のWEBで発信し、メディアからの取材依頼につなげる。
・大学は継続的な研究活動のためにも広報を推進しており、大学のブランド力UPに役立てている。
・サイエンスコミュニケーションや研究推進などの分野でPhDを持つ方が活躍している。
* * * * * * * * * *
そうそう、London Science Museum のイベントとしてご紹介いただいた「大人だけのための夜の科博“Lates”」の動画がかっこよかったです・・・。
【動画】Science Museum "Lates"
https://www.youtube.com/watch?v=2D8xOzRXzFo&feature=youtu.be
上記動画の1:30あたりで来館者たちが踊っている様子を見て、参加者一同「オォォオオォ・・・・」とカルチャーショック(?)を受けました。
参加者の感想
豊富なスライドで、気候変動研究をアフリカの農業に還元する、プロジェクトの空気を感じました。ロンドン科学博物館の蒸気機関の展示の圧がすごい!社会と科学技術の距離が近いな~。
(科博SC講座8期修了生 田島直人さん)
イギリスにおけるサイエンスコミュニケーションの先進的な取り組みを知ることができ大変勉強になりました.特に,大学での研究を実社会の問題解決や生活の質の向上に繋げようとするプロジェクトで.サイエンスコミュニケーターが大学とフィールドを繋ぐ点で活躍しているというお話しが印象的でした.
社会の状況が刻々と変わる中で,研究を通して社会に貢献するということが論文出版などだけで十分なのかが,今各々の研究者に問われていると感じています.研究と社会を繋ぐ新たな形を探求する専門家として,サイエンスコミュニケーターが活躍する余地があると希望を感じました.
(科博SC講座5期修了生 山田広明さん)
閉会後は有志で懇親会を開催しました。
また面白い話題を見つけたら開催しましょうね!
(WEcafeサイエンスコミュニケータ蓑田裕美)