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WEcafe流 サイエンスカフェの舞台裏

下町でサイエンスカフェを行っているWEcafeスタッフが サイエンスカフェ運営のノウハウをまとめています。

2015年5月10日 国立科学博物館サイエンスコミュニケータ・アソシエーション有志で「理科教育勉強会」を開催しました

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2015年5月10日 国立科学博物館サイエンスコミュニケータ・アソシエーション有志で「理科教育勉強会」を開催しました

2015年5月10日(日)に「第1回 理科教育勉強会」を開催しました


国立科学博物館サイエンスコミュニケータ・アソシエーション(科博SCA)
の有志による開催です。
なかなか理科に興味を持ちにくい環境の生徒たちに対して、
「生徒たちにいかに理科を教えるか」
「講座で学んだSCを活かした授業展開とは」
を2時間にわたって話し合いました。
理科教育に限らず、
科学教育全般に興味のある科博SCA有志13名が
「とにかく一度話し合ってみたい!」
と東京・根津に集いました
(うち1名は遠方からSkypeで参加!)。

小学校教員、
中学校・高校の理科教員や技術科教員、
科学館や水族館の職員、
理科教材開発者、
塾講師、
科学技術分野の広報官・行政官・個人事業主など、、、
職種は様々です。
以下、小学校・中学校・高校・科学館・博物館・動物園・生涯学習施設など、
幅広い教育の場を対象にした話題展開ですが、
科博SCA理科教育勉強会メンバーから出たコメントを一部抜粋して記載します。

前後の文脈を省略しているのでわかりにいくい点が多々ありますが、
会の雰囲気を伝えるためのものですのでご了承ください。

<話題メモ>


・理科に関するグループ学習を主体的に取り組ませるには?

定期テストで、
グループ学習へ主体的に取り組まないと解けない問を盛り込んでいる事例紹介。

・予想させる/探究させることが大事

当たり前のことだが、
グループ学習でも答えがわかってしまうと取り組む意欲がそがれる。
実験では、答えは仮説・検証の後に提示する。
問題演習では、解答させてから添削(解答配布)を行う。
観察系の単元でも、観察のポイントを途中で小出しにしていくと興味関心が持続する。

・生徒達に予想させる

→予想が分かれる
→観察ポイントや論点を明示する
→実践する
→お互いの実験や観察結果を品評会

・生徒による予想が的外れなとき、どのようにズレを修正するのか?

例えば、間違った仮説を提案してくれた場合には、
『(その仮説は)意外だね!』
と声をかけ、
『なんでそう思ったの?』
と繰り返し尋ねることで、
生徒自身の仮説とその根拠を論理的に説明できるようになっていく。

・高校生は理科を自分と切り離して考えることが多い

興味を引き出す問いとして「なぜ我々はここにいるのか?」を投げかけてみる。

・ジグソー法

東京大学大学発教育支援コンソーシアム推進機構が提唱する
「ジグソー法」(グループごとに学び合う教授法のひとつ)
の紹介

・ICT(電子黒板や生徒用のタブレット)は自治体や学校ごとの格差が大きい

各種ICTは全く導入されていない教育現場も多い。
書画カメラやマグネット式ホワイトボード等を
うまく用いれば代用できるのではないか。

・生徒が理科に興味薄れるというが

部活・スマートフォン・SNSなど
「他に面白いこと」
がたくさんあるのが現状。
理科の教科書で教える内容がいまを生きる社会とどう繋がっているのか、
そうした提示を上手にやっていくことが大事。

・複数の教科にまたがった問題(教科融合型問題)

取り組み方をどう教えるか、
またその評価方法について。

・ルーブリック

という論述評価基準の紹介。

・一般向けの科学イベントでは

まずトピックに関連するクイズで興味をひかせるが、
「押しつけ」感はよくない。
また、ストーリー内容を考える際も
「聴き手主軸で」
「(聴き手の)感情を中心に」
「共感をもたせる」
よう工夫している。
教えたいことありきでは、共感を得にくい。

・理科に興味のない人に対して教えるときは

自分の苦手な分野だったらどう教わりたいかを考えるとよいかもしれない。

・全部の授業を楽しくさせることは難しい

要所要所で生徒の興味を惹きつけられれば、
難しく説明せざるを得ない部分でもついてきてくれるのではないか。
すべては
「コミュニケーションがとれているかどうか」
が重要。

<話題に上った団体へのリンク>

・学びの共同体研究会(佐藤学先生ら)

・ジグソー法(大学発教育支援コンソーシアム推進機構)

・科学教育研究協議会

・日本科学教育学会

・日本サイエンスコミュニケーション協会(JASC:ジャスク)

<参加スタッフの感想>

担当者M

今回は理科教員以外の職種の方々が幅広く集まったので
意見が発散してしまうかと思ったが、
良い意味で予想を裏切られた。
小学校・中学校・高校の各教員から話題提供いただけたおかげで、
互いの教育内容を垣間見ることができた。

今後は、
「学びの共同体」
「アーギュメントスキルを育くむ理科授業」
「発話を導く方法」
を学びたい。
サイエンスカフェのファシリテーションにも活用したいな。


担当者N

教育現場では現在
「アクティブラーニング(能動的な学び)」
の重要性が言われている。
サイエンス・コミュニケーションを学んだ私たちにとっては、
まさに力を発揮するとき!
…とはいうものの、
現実にはさまざまな壁に突き当たり、
思うように行動できていないのが現状で、
歯がゆく複雑な思いを抱いて日々を過ごしていた。

今回、
こんなにたくさんの同志がいることを実感し、
うれしく感じた。

生徒を導くことは、
途方もなく険しい道のりに思えていたが、
基本は
「コミュニケーションの積み重ね」
であることを再認識した。

勉強会参加者の皆様、
ありがとうございました。
また情報交換しましょう!

担当者K

教員は,外部の方と話す機会が少ないです。
そのため、
他の学校種や教科,
学校関係者以外の異業種の方と話せるという
貴重な時間でした。
バックグラウンドの異なる人が集まっているだけあり、
具体例が多く出ました。

学生の周りには、
スマホ、ゲームなど楽しいものがいっぱいあります。
そんな生徒たちに興味をもってもらうためには、
リアル感が必要だと日々感じてます。
リアル感が実物や社会(自分)との関係性だと思います。

つい、教員は教えようとしてしまいがちです。
それが、理科が苦手な生徒には鬱陶しいのかもしれないです。
教えようとしないで、
生徒と初心で理科を知っていく気持ちになれる授業を考えていきます。

今後も,各自が知った教授法や失敗例を共有して
教育現場やサイエンスコミュニケーションに生かせたらよいなと思います。
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ウィークエンド・カフェ・デ・サイエンス(WEcafe)事務局
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